イベントレポート:SAS FORUM JAPAN 2017

〜 SAS FORUM JAPAN 2017レポート 〜

REST APIで実現するモバイル・レコメンドアプリを作ってみた ~訪日外国人観光客の行動と嗜好を予測する

  • 株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス
    CTO
    相馬 賢司 氏

  • SAS Institute Japan 株式会社
    ソリューション統括本部ビジネス開発グループ
    グループマネージャー
    小林 泉

 「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」は、公衆無線LANサービスを手がける株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスが、訪日観光客向けに無償提供するスマートフォン・アプリだ。快適でセキュアな無線LAN環境を提供し、収益は配信する広告コンテンツから得る。

 同社は、そのコンテンツ配信のためのレコメンデーションの仕組みに課題を抱えていた。レコメンデーションには、大きく2つのやり方がある。1つは、コンテンツベースの配信。コンテンツの属性情報から関連するもの判定する。たとえば、過去に購入した書籍から、同じ著者の作品をおすすめするのはこれに当たる。もう1つは、コミュニティベースの配信。ユーザーのコンテンツへの評価データを解析することで、類似する嗜好を持つユーザーが高く評価したコンテンツをおすすめする。

相馬 賢司 氏

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス 相馬 賢司 氏

 多くの場合、これら2つを組み合わせて、最適なおすすめは決定される。しかし、TRAVEL JAPAN Wi-Fiのユーザーは、訪日して初めて利用することになる。そのため、データが集まりにくい。また、始まったばかりのサービスのため、顧客データやコンテンツデータは扱いやすいように分類/クレンジングされていなかった。

 さらに、同社では新しいレコメンデーションルールを試してみたかった。それが、ロケーションベースの配信だ。ユーザーの位置を特定できるため、その情報をルールに組み込みたいと考えたのだ。ところが、そこでも課題に行き当たる。たとえば、13時に浅草で観光中のユーザーがディナーの予約をする場所は、浅草でない可能性が高い。おすすめするレストランをユーザーの向かう先に関連付けて類推できなければ、的確なレコメンドをできないのだ。そこで同社は、この分野で定評のあるSASの協力を仰ぐことにした。

小林 泉

SAS Institute Japan 株式会社 小林 泉

 SASのデータサイエンティストは、データクレンジングなどシステム面の課題をまず解決し、独自の取り組みをスタートさせた。まず取り組んだのは、機械学習手法を用いた不足データの推定だ。

 ユーザーは、TRAVEL JAPAN Wi-Fiを使い始める前に、簡単なアンケートに答える。英語や中国語でフィードバックされたアンケート結果をSASの自然言語解析機能で構造化し、ユーザーの属性情報を埋めていった。たとえば、アンケートでは問わないユーザーの年齢を推定することが可能になった。また、ログとして蓄積されているユーザーの移動情報も解析した。移動パターンをクラスタリングし、ユーザーの嗜好を推定する取り組みも行われたという。

 この日の講演では、そのためのシステム構成も紹介された。解析用のデータをSAS Viyaで管理し、コンテンツ・データベースは外部に設置する。ユーザーのアプリにコンテンツ配信するのは外部サーバで、SAS Viyaはそこにレコメンド結果を返す。システム間はREST APIと呼ばれるシステム連携コードによって接続され、シームレスな情報連携が実現する。

 同社 CTO 相馬 賢司氏は、「ユーザーが次に行く場所を予測しておすすめコンテンツを配信することを目指しています。分析基盤を構築し、蓄積した情報を分析して顧客体験の向上に役立てるサイクルを確立しつつ、サービス追加のスピードを上げていきたいと考えています」と話してくれた。

REST APIで実現するモバイル・レコメンドアプリを作ってみた ~訪日外国人観光客の行動と嗜好を予測する

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