イベントレポート:SAS FORUM JAPAN 2017

〜 SAS FORUM JAPAN 2017レポート 〜

ヘルスケア、ライフサイエンスにおけるAI、IoTの活用 - コネクテッド・ピープルとデバイスによる機会と挑戦

  • SAS Institute Inc.
    Health & Life Sciences Global Practice
    Chief Health Analytics Strategist Advisory Industry Consultant
    Mark Wolff, Ph.D.

 マッキンゼーの調査によれば、2020年までにIoT市場の売上げは、その40%以上をヘルスケア/ライフサイエンス業界から得ることになる。Internet of Medical Things(IoMT)と呼ばれるメディカル利用ではウェアラブル・デバイスを利用した体調管理がすでに実現していることもあり、同業界からAIとIoTに熱いまなざしが注がれている。

 ヘルスケア業界には、いくつかの重要な課題がある。安全性、コンプライアンス、遠隔モニタリング、意思決定支援、そして患者体験の向上だ。この日の講演でMark Wolffは、「カギになるのはデータ。患者の情報は、リアルタイムに生成されるデータを通して知ることができます。この業界の課題は、膨大なデータを高度に分析することで解決できます」と語った。

SAS Institute Inc., Mark Wolff, Ph.D.

SAS Institute Inc., Mark Wolff, Ph.D.

 癌治療においては、すでに数学的なモデルが医師による診断を上回る正確性を見せているという。Wolffは、オランダにあるMaastricht University Medical Centerの医師、Cary Oberije氏の「治療方針の意思決定を行うにあたって、医師の意見だけに基づくのは非倫理的」という発言を紹介した。

「センサーによって患者の情報をすべてネットワーク経由で入手できるようになれば、患者は“ハイパー・コネクテッド・ペイシェント”と言うべき存在になります。医療関係者が吟味しなければならないデータ量は極めて多くなり、そしてそれを読み解くのは複雑になります」(Wolff)

ヘルスケア、ライフサイエンスにおけるAI、IoTの活用 - コネクテッド・ピープルとデバイスによる機会と挑戦

 一方、ライフサイエンス業界の課題は、研究開発、製造とサプライチェーン、営業およびマーケティング、患者エンゲージメントへの対応などだ。この日の講演では各課題へのソリューションが紹介されたが、最も注目を集めたのは製造とサプライチェーンの分野だった。Internet of Pharma Manufacturing (IoPM)と呼ばれる分野が急速に伸びており、製造から在庫保管、輸送までのプロセスの効率化が達成されている。この技術を活用すれば、すべてのプロセスを一気通貫で捕捉できるため、次世代スタンダードと見なされるIDMP(Identification of Medicinal Products)にも対応する。

 Wolffは、AIの話に多くの時間を割いた。「そもそもインテリジェンスとは、知識やスキルを獲得し、身につける能力のこと」と定義し、[図1]を示した上で、「AIがこれだけ注目を集めるようになったのは、ディープラーニングで数多くの結果を残したためです」と話す。

「SASにとって、AIという言葉は1970年代から使ってきたもの。現在注目を集めているAIは、長い時間をかけてすでに実現してきたさまざまな技術的ブレイクスルーの集合体と言えます。私たちは、必要な技術を、必要な場所に有効に利用することで、ヘルスケア/ライフサイエンス業界の課題にこたえることができます」(Wolff)

Data mining Venn diagram

[図1] Data mining Venn diagram


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