イベントレポート:SAS FORUM JAPAN 2017

〜 SAS FORUM JAPAN 2017レポート 〜

センシング周辺技術およびセンサーデータを活用した店舗の将来像

  • 株式会社ATR-Promotions
    センサ事業グループ 研究開発チーム
    博士(学術) マネージャー
    足立 隆弘 氏

  • SAS Institute Japan 株式会社
    ソリューション統括本部
    インダストリーソリューション統括部
    サービスインダストリーソリューショングループ
    マネージャー
    井上 義成

 さまざまな業界から注目を集めているIoTにおいて、流通・小売業界からいくつかの先進事例が出てきている。RFIDタグを読み取る自走式ロボットが店舗内を動き回り、商品の位置と在庫数を収集する仕組みや、退店時に自動精算できるキャッシュレス店舗、店舗を倉庫に見立ててECサイトからの注文を在庫に余裕のある店舗から発送する取り組みなどが有名なところだろう。

 国内でも、経済産業省がコンビニ各社と共同で、「2025年までにすべての取り扱い商品(推計1,000億個/年)に電子タグを貼付け、商品の個品管理を実現する」という方向性を打ち出した。その際に大きな役割を担うのが、センシングデータだ。店内の至る所に配置されたセンサーが店舗や在庫の状態と顧客の流れを検知し、得られたデータをSASで分析すれば、店舗の未来が拓けるかもしれない。

SAS Institute Japan 株式会社 井上 義成

SAS Institute Japan 株式会社 井上 義成

 真っ先に挙げられる例は、“リアルタイムな顧客理解”が可能になることだ。入店した顧客がだれかわかるようになることで、来店目的を推察して接客することができる。移動にサポートが必要な顧客には、すばやく車椅子を用意するなど、先手を打った対応ができる。店舗スタッフが変わっても、「長い付き合いのあるお客様」に対して失礼なく接客できるようになることも大きなメリットになるだろう。

 店舗内の人の動きもリアルタイムにつかめるようになる。人の流れをヒートマップ化し、売れ筋商品の置き場所やイベント開催場所を選定したり、そもそものレイアウトを改善して流れを変えたりする事例は出てきている。それがリアルタイムになることで、機会ロスの防止やレジ待ちの解消に役立てることが期待できそうだ。さらに、商品管理がリアルタイムになることで、管理面もより効率化する。

株式会社 ATR-Promotions 足立 隆弘 氏

株式会社 ATR-Promotions 足立 隆弘 氏

 この日の講演では、こうした店舗の未来像が紹介された後、赤外線レーザーを利用した人位置推定のデモが行われた。会場の受付にセンサとビデオを設置し、そこで動き回る人の姿と、センサがとらえたイメージをリアルタイムに同時上映。極めて正確に人の流れを再現していることを来場者に伝えた。

 これは、ATR-Promotionsの技術を利用したものだ。すでに大規模な実証実験を行っている。実験では、背の高さから年齢を推定し、一緒に歩く3人が夫婦と子どもであろうと推定できるなど、興味深い洞察が得られた。3次元で動きをつかめるため、購入した商品の棚の位置もわかる。個人で来た顧客とグループの顧客との間で動きの違いを分析するなど、ユニークな使い方もできそうだ。

 ATR-Promotionsの足立 隆弘氏は、「センサの導入において、最大のネックは価格でした」と話す。「しかし、価格は10年前の10分の1程度に下がっています。kinect2のような低価格センサが出ているほか、10メートル用のセンサはすでに1台5~10万円程度に下がっています。そしてメーカーでは1万円以下をめざした開発競争が行われています。」講演タイトルでうたわれた“将来像”はそう遠くないのかもしれない、と想像させてくれるデモだった。



センサーによるリアルタイムトラッキングの詳細環境をSAS Blogで紹介しております。

センシング周辺技術およびセンサーデータを活用した店舗の将来像

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