イベントレポート:SAS FORUM JAPAN 2017

〜 SAS FORUM JAPAN 2017レポート 〜

SAS基調講演:Experience Your New Possible

  • 【General Keynote】
    SAS Institute Inc.
    エグゼクティブ バイスプレジデント
    チーフカスタマーオフィサー
    フリッツ・リーマン

  • 【Japan Keynote】
    SAS Institute Japan 株式会社
    代表取締役社長 兼
    SAS Institute Inc. 日本・韓国 地域統括 バイスプレジデント
    堀田 徹哉

  • 【特別講演】
    株式会社ブリヂストン
    執行役員 チーフデジタルオフィサー 兼
    デジタルソリューションセンター 担当
    三枝 幸夫 氏

データは燃料で、アナリティクスはエンジンだ

 過去最高の来場者1600超の人が詰めかけたSAS Forum Japan 2017は、SAS Institute Inc. エグゼクティブ バイスプレジデント兼チーフカスタマーオフィサー フリッツ・リーマンの基調講演で幕を開けた。

 講演の冒頭でリーマンは、「私たちの生きている時間は、マイクロ・モーメント(瞬間)の連続です。すべてのマイクロ・モーメントはデータを生み出し、それを蓄積することで数十億レコードのデータが一瞬で生み出される時代になっています」と語る。「膨大なデータが、分析されないままの状態で放置されています。データは燃料で、分析はエンジン。貴重なデータを分析し、ビジネスに役立てることが、ビジネスの勝利に結びつきます。データがどれだけ多くても、それを知見に変える。SASは、それを可能にします」

 リーマンは、かつてアナリティクスはテクノロジーの傍流だったと語る。ビジネスパーソンは、分析結果より自らの知識と経験に重きを置いていた。しかし、テクノロジーの進歩がそれを大きく変えた。テキストマイニング技術は音声認識・分析と融合し、ディープラーニング技術も誕生した。そして、いま最もホットな分野は、すべてアナリティクスが主要な役割を担っている。たとえば、AI。その概念は古いものだが、ディープラーニング技術の誕生により、飛躍的な進化を遂げた。IoTは、マイクロ・モーメントをデータとして蓄積することを可能にした。コンピューティング技術の革新によるさらなる自動化に、アナリティクスは欠かせない。

「アナリティクスは、もはや私たちの生活の一部なのです」(リーマン)

データは燃料で、アナリティクスはエンジン(リーマン)

SAS Institute Inc. フリッツ・リーマン

音声で「SAS® Viya」を操る

 続いて壇上に立ったSAS Institute Japan代表取締役社長兼SAS Institute Inc. 日本・韓国 地域統括バイスプレジデント 堀田 徹哉は、最新の「SAS® Viya」について以下のように紹介した。

「SAS Viyaは、イノベーションをもたらすあらゆるシステムのコアエンジンになるオープンなプラットフォーム。あらゆる形式のデータをハンドルし、さまざまなプログラミング言語を使って直接機能を呼び出すことができます」先進的なアナリティクスを実現するための機能が網羅されており、すでに日本でもかなりの部分が使用可能になっており、更には今年後半から来年前半に向けて、ディープラーニングや、コグニティブコンピューティングの機能拡張が予定されているという。

音声で「SAS Viya」を操る(堀田 徹哉)

 そして堀田は、Amazonの「Alexa」を使ったデモを披露した。Alexaは、スピーカー型の音声アシスタント端末「Amazon Echo」という音声入出力デバイスと連携することができる、音声認識サービス。電波法の関係から、国内でAmazon Echoをデモできないため、この日はスマートフォンでAlexaを呼び出し、コンピュータと会話しながらデータ分析を行うデモが進められた。

 デモは、堀田が会場のスマートフォンに話しかけ、シンガポールにあるオンプレミス環境のSAS Viyaを呼び出し、SAS FORUM JAPAN 2017の登録者データを分析するというもの。スマートフォン上のAlexaとSAS Viyaを中継するのは、Amazon Web Service上に構築されたシステムだ。デモは成功し、音声の問いかけに従って、SAS Viyaは登録者のプロファイルを様々な切り口で返してくれた。

「コンピュータと会話すれば有益な答えが返ってくるのは、私たちの夢でした。すでに、SAS Viyaをアナリティクス・プラットフォームとするオープンな環境の登場により、リアルタイムに有益な情報へ、より簡単にアクセスすることのできる時代は、手の届くところにきているのです。SAS Viyaがオープンな技術を採用したのは、複合環境で生かされるアナリティクスであるためです」(堀田)

(「基調講演:Japan Keynote」は、こちらから動画をご覧いただけます。

音声で「SAS Viya」を操る(堀田 徹哉)

SAS Institute Japan 株式会社 堀田 徹哉

特別講演 三枝 幸夫 氏: AIとIoTで推進する、新しい時代のモノづくりとICT

 午前の基調講演を締めくくったのは、株式会社ブリヂストン 執行役員チーフデジタルオフィサー兼デジタルソリューションセンター担当 三枝 幸夫氏。同社は、製造・販売業としてのビジネスモデルから、ソリューション事業者への転換を果たそうとしている。その大きなトピックが、タイヤ・アズ・ア・サービス。タイヤを販売するのではなく、空気圧の管理や適切な時期の取り替えを含めて、タイヤを使う企業をトータルにサポートすることになる。

 三枝氏は、「トラディショナルな考え方のままでは、デジタルデバイドの下に取り残される危機感から、デジタル・トランスフォーメーションに取り組んできました」と話す。同社の取り組みは、業務効率の向上を図る社内改革と、上記の顧客向けビジネスモデルの転換、そしてパートナーとのエコシステムの構築の3つのエリアで進められている。

 その中で、アナリティクスが最も有効に機能したのが生産データの分析だ。現場のベテラン技術者から話を聞き、生産ラインに影響を与える89個のパラメータを特定。多次元解析を行うことで、不良率を6分の1に削減することができたという。「外気温や天候などは、コントロールできません。それらを除いて不良発生に影響を与える複数の条件を特定することができました」(三枝氏)。これらの成果は、ナレッジ共有データベースに蓄積され、同社の最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」にも取り入れられた。EXAMATIONは、タイヤ1本あたり2000に及ぶパラメータを管理し、独自のAI/ICT技術を搭載することで、生産効率を2倍に引き上げることを可能にした。

 また、すべての生産情報を公開し、ユーザー部門が必要なものを自由に利用できるようにする改革も行った。IT側ではデータを管理せず、現場が不要と判断したものは時期が来れば消えてしまう。一方、管理コストはかからず、現場の自由度が高くなったため、ユーザー部門からは好評だ。

三枝氏は、「私たちのデジタル・トランスフォーメーションは、まだ始まったばかりです。今回登壇させていただいたのは、アナリティクスについて広く情報交換したいという思いもあったため。皆様とは、ぜひ会場で色々とお話させてください。そして、これからも私たちの改革を見守ってほしいと考えています」と講演を締めくくった。

特別講演 三枝 幸夫 氏:AIとIoTで推進する、新しい時代のモノづくりとICT

株式会社ブリヂストン 三枝 幸夫 氏

 
特別講演 三枝 幸夫 氏:AIとIoTで推進する、新しい時代のモノづくりとICT

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